中国の歯医者さん受診体験記

海外で、突然、歯が痛くなったとき、どうするか?というのは結構、切実な問題です。

「言葉は通じる?」「治療レベルが心配」「保険がどの程度、適応されるの?」

いろいろな疑問が、頭をよぎります。一方、歯の痛みは、待ったなしで、どんどん痛みを増してきます。

以前、自分も、中国で歯が痛くなって、やむにやまれず、現地の歯医者に行ったことがありますが、その時のことを、以下、ざっくりと、記してみようかと思います。

中国の歯医者さん受診体験記

2年くらい前のことですが、お昼ごはんを食べていたとき、硬いものを食べたのが悪かったのか、以前、日本で被せてもらった被せものが、ポロッと取れたことがありました。

痛くはないものの、冷たいものを飲むと、少ししみるので、次、日本に帰るに二、三ヶ月先までは、さすがに我慢できないと思い、現地の歯医者へ行くことを決意。

とはいえ、実は、これまで、中国で歯医者に(というか医者に)かかったことがなかったので、非常に億劫でした。中国語で病状を説明するのも億劫だし、診察についてもいい加減というイメージもあります。

しかし、歯の痛みは待ったなしで、そんなこと、いっていられません。重い腰を上げて、向かったのは、「しろもとデンタルクリニック」という日系のデンタルクリニック。以前から、通りがかりに、よく見かけていたクリニックです。

 

場所は、地下鉄国貿駅からすぐのところで、建物は、超ローカルという感じで小汚いビルでしたが、なかは、案外こざっぱりして、清潔にしていました。

とりあえず、受付で事情を説明すると、日本語の流暢な中国人スタッフが出てきて、対応してくれました。彼女が言うには、予約なしでも、五分くらいで、治療にかかれるとのこと。

ということで、早速、治療室へ移動。

取れた被せモノを、歯医者にみせたところ、案の定、そのままは被せられないとのこと。

新しく形を作り直すことを提案するので、値段を聞いてみたところ、「3000元(55000円)」かかるという。

「かぶせるだけで、5万円!!」

保険がきかないので多少高いのは仕方ないが、さすがに、それはかなわない。

「他に、何か応急的なものは無いですか?」というと、そういう材質のものをかぶせることができるそうで、2-3ヶ月位はもつとのこと。

値段は380元(6000円)というので、とりあえず、それにしてもらうことに。

(こういうときは、逐一、値段をきいたほうがいいでしょう。相手に言われるままに、日本の感覚で、やってくれというと、あとで、どえらい金額が請求される可能性があります。)

 

というわけで、治療開始。

若い二十代くらいの女性の先生と助手が、治療してくれるのですが、なんか、子供のお医者さんみたいな感じで落ち着かない。ふだん日本に帰ったときは、がっつりとした中年の男の先生に見てもらっているので「ほんまに大丈夫なんかな。」と思ってしまう。

それでも、治療は、テキパキとしてくれて、十数分で終了。

 

その後、お会計。治療費と合わせても、大した額にならず、とりあえず一安心。(ちなみに、自分は、二十年以上前に、東南アジアで葉の治療を受けて、30万円くらいかかったという苦い経験をもっています。渡航前に、わざわざ日本の歯科で治療していったのですが、それが裏目に出ました。)

ちなみに、この代金を、日本の国民健康保険で、一部カバーできるという話を聞いたことがあるので、今回は、金額的にも大したことはないものの、後々のこともあるので、聞いてみることに。

受付の女性に、申請の書式をくれるようにいうと、一週間くらいして、ちゃんと、書類を書いてくれました。これを、日本で提出すればいいらしいのですが、国民健康保険で、カバーできるかどうかは、実際、やってみないとわからないということでした。

ちなみに、駐在員の場合は、会社で保険に加入していると思いますので、そちらの適用を受ければいいと思います。

海外の治療費を日本の保険でカバーできる?

その後、歯のほうは、特に問題もなく、仮にかぶせたところも、二年以上経過した現在でも、何の問題もなく、塞がれています。日本に帰ってから、歯の治療を受けたとき、中国で被せた箇所のことを聞いてみたところ「何の問題もなく、治ってますよ」ということでした。

 

あと、中国での歯の治療代を日本の国民保険でカバーできるか?ということですが、日本の最寄りの支所まででかけて申請しましたが、結局は、還元してもらえるには至りませんでした。

中国のクリニックが用意してくれた証明書は特に問題なく、支所での手続きも、特に問題なかったのですが、ネックとなったのは「その治療を受けたとき、自分が、海外にいたという証明が必要」とのことで、それができませんでした。

証明で一番簡単なのが、パスポートのスタンプで、◯月◯日に入国して、◯月◯日に出国というのがあればいいらしいのですが、最近は、空港でも顔認証で、スタンプを押さなくなっているので、スタンプを押しておらず、だめと。

スタンプを押してもらうか、該当の部署で証明書を出してもらえばいいらしいですが、今回は金額が少額だったので、あきらめました。

まあ、こういうことは、ある程度は予想していましたが、一応、制度としては、あることはあるけども、実際に、申請するときは、こういう細かいところで、つまずいてしまう可能性があるということです。

深センの歯科クリニック

今回、利用したのは、「しろもとデンタルクリニック」という日系のクリニックで、他にも、「三九歯科」(写真)とか、日系クリニックは、結構有るようです。日系クリニックは、日本語でいちいち説明してくれるので、楽ですし、治療もそんなに悪くはなかったと思います。

その他にも、大学病院内に外国人専用診療室もあり、比較的衛生状態もよく、医者が直接外国語を話せるか、あるいは日本語、英語での通訳を介して診察を受けられる可能性もあります。

治療費は各病院により異なりますので、治療を受ける前に、治療費や治療後に不具合が起きた場合の補償なども合わせて確認しておくと良いでしょう。

他にも、完全ローカルの歯医者もあります。「牙科」という看板が歯科にあたります。費用は安いですが、全くのローカル環境になるので、結構、大変です。