中国でマッサージ(按摩)を受ける!!

2021年5月18日

中国生活での数少ない娯楽の一つに、マッサージ按摩/あんもー)があります。中国では、犬も歩けば、マッサージやに当たるくらいの割合で、街なかの至るところにマッサージ屋(按摩店)があります。

マッサージの専門店もありますが、サウナや散髪屋に併設していたりと、いろいろなタイプがあります。

また、30分単位になっているので、時間を気にせずに受けられるし、コストパフォーマンスもよいです。(長すぎて、途中で寝てしまうこともありますが・・・)

以下、中国で、マッサージを受けるときの手順について、紹介してみたいと思います。

中国でマッサージ(按摩) どこで受ける?

とりあえず、「按摩」「推拿(とぅいなー)」「足浴」などの看板があれば、それと思えばいいでしょう。

あるいは「桑拿(サウナ)」にも、必ずマッサージがついています。浴槽から上がったところに休憩室があって、そこで、フットマッサージを受けられますし、別室で全身マッサージ等も選択できるようになっています。

あと「理发店(散髪屋/りーふぁーでぃえん)」でも、散髪をしたあと、頭のマッサージや、全身マッサージのサービスをしているところが多いです。

なかには、マッサージ以外のサービスを提供している怪しい店もあります。そういった店は、なんとなく店の発している雰囲気でわかるとは思いますが、「接客がいい加減。」「休憩所がどんよりしている。」「マッサージがやる気がない」などのところは、そういうサービスを提供している可能性が高いので、注意してください。

ちなみに、「盲人按摩」(まんれん・あんもー)は読んで字のごとく、視覚障害者が施術を行うものです。

中国マッサージの種類について

マッサージには、フットマッサージ(按脚)、全身マッサージ(中式、タイ式、日式)などがあります。

フットマッサージ(按脚)

まずは、フットマッサージ按脚(アンジャオ))ですが、ホール(大庁)のような場所で、リクライニング式のチェアに腰掛けながら行うのが一般的です。

前に、小さなモニターがあって、テレビをみながら施術が受けられるところもあります。

まずは、蒸しタオルを足にかけて足をほぐしてから、とりかかります。タオルが熱ければ「很烫(へんたん)」と言いましょう。

時間は30-60分くらいが一般的で、サウナだと、固定料金に含まれている場合もあります。

あと「足浴(ずーゆー)」といって、先に、足を湯につけて、ほぐした後で、足マッサージをしてくれるところもあります。

足湯効果で、血行が良くなり、マッサージと相乗効果があります。

 

中式マッサージ(中式按摩)

中式(中国式)マッサージは、いわゆる普通のマッサージ(按摩)のことです。とにかく、安いのが特徴で、1時間で50元位(千円強)からあります。

服やガウンは着たままで、個室で施術するのが一般的です。順番的には、まず、うつ伏せ状態で、背中から首筋をやって、その後、腰、足と続きます。ここまでで、全体の3分の2くらい時間を費やします。

(按摩専用台だと、台に穴があいているので、うつ伏せのときは、穴の中に顔を突っ込むことになります。穴の周りに顔を載せられるようにタオルが置かれています。)

次に、仰向けになってから、肩から二の腕、手とやって、最後、起き上がって仕上げ(写真)という順番に施術していきます。

施術中に、マッサージ師が「力度怎么样?(力の入れ加減はどうですか?)」とか聞いてくると思いますので、もう少し軽めにしてほしいのであれば、「轻一点(ちん・いーでぃえん)」あるいは「用小力点儿」、強めにしてもらいたいのであれば、「用大力点儿」と伝えればいいでしょう。

マッサージ師の指名について

マッサージ師は、こちらが何も言わなければ、店側に勝手にあてがわれてしまいますので、もし何らかの希望があれば、「女性(男性)の方でお願いします」「◯◯番の方でお願いします。」など、具体的に要望を係員に伝えましょう。

ちなみに、マッサージ師は、一般的には女性ですが、フットマッサージだと、男性、女性、半々くらいかと思います。マッサージ師にもいろいろな人がいて、もくもくと施術する人もいれば、話し好きで、口ばかり回っている人もいます。

何回か、通っているうちに、顔なじみのマッサージ師ができれば、番号で指名できたりもします。マッサージ師とプライベートで微信の交換をしているのであれば、直接に連絡を取りあってもいいでしょう。

馴染みのマッサージ師と世間話をするのも、また中国のマッサージでの醍醐味といえます。こういった場所の中国人は、日本語を全く話せないので、中国語の勉強にもなります。

タイ式マッサージ(泰式按摩)

中式が、押す、揉むことを主体とするのに対して、「タイ式(泰式)」は、関節を伸ばすストレッチがメインとなります。

プロレス技さながらの、アクロバットなフォームを多用したりするので、密着度の高い施術となります。

値段は、中式よりやや高めです。

あと、天上のバーを利用して、こういう施術をするところもあります。しかし、かなり体重がかかるので、注意が必要です。

日式マッサージ(日式按摩)

あと「推油(とぅいよう)」といって、オイルを使って施術するマッサージもあります。

このようなマッサージを、中国では、なぜか、日式(あるいは港式)と呼ぶことが多いようです。日式というのは、日本式の意味ですが、なぜ日本式なのかは不明です。

値段はマッサージの中では、一番、高く設定されています。上半身、着用せず施術するので、途中でウトウトしてしまうと、うっかり風邪をひいてしまうので注意しましょう。

中国マッサージ  オプション

その他、耳そうじ(采耳/つぁいある)、足のお手入れ(修脚)など、様々なオプションが用意されています。マッサージが終わったあと、あるいは、マッサージと並行して行います。足マッサージと同時に頼むと、二人がかりとなります。

耳そうじ(采耳)

耳そうじ(采耳)はオプションの中では、一番、よくあるタイプです。

足マッサージのときに、いっしょやっている人をよく見かけます。

気持ち良すぎて、寝てしまいそうになります。

美容

サウナなどで、マッサージとは別に「美容」という項目があります。美顔器で顔に蒸気を当てて潤いを加えたり、背中に加熱した黒い石を乗せたりするもので、あまり、効果の程はわかりません。

制服に身を包んだ綺麗どころが近寄ってきて、営業トークをしにきますが、興味がなければ、きっぱり断りましょう。(ただ、こういったサービスは、フットマッサージ等と違って、必須ではないので、客の獲得が大変のようです。)

拔火罐

あと、拔火罐(バ・フゥオ・グァン)という、透明なを、吸盤のように背中に吸いつけ、その中で火を燃やす?という、中国独特の施術があります。

日本のお灸に近い感覚なのかもしれませんが、血行を良くしたり、毒素を取りのぞいたりする効能があるらしいです。「中医」という分野になるそうですが、ここまでくると、治療ですね。

ちなみに、拔火罐したあとは、しばらくは、紅いあざが残ってしまいます。たまに、真っ赤なあざを作っている人があれば、それと思っておけばいいでしょう。

お値段は?

会計は、最後にまとめてします。「マッサージ店」「サウナ」「散髪店」といった店の種類や、日本人相手かローカル相手かによって違ってきますが、深センのローカルマッサージ店で、マッサージ料金のみだと、中式マッサージ(60分)で基本料金50元(800円)くらいかと思います。マッサージ師へのチップ20-30元として、合計70-80元位ですね。

施術時間に応じて、基本料金もチップも、それ相応にアップします。時間は、60分から120分が多いですが、なかには3時間とかもあるようです。

マッサージ師へのチップというのは、日本人には慣れないかもしれませんが、それが、マッサージ師の取り分となりますので、馴染みのマッサージ師との関係を良好に保つためにも、あまりケチらないほうがいいでしょう。

【補足】

タイ式は中式よりもう少し高め、日式だとさらに高めとなります。

◯昼間は、利用客が少ないので、夕方以降より割安に設定されていることが多いです。

◯回数券(1000元~数千元単位)もあるので、もし、特定のマッサージ店やサウナにしか行かない人であれば、あらかじめ、購入しておけばいいでしょう。

 

以上です。

マッサージ店は、もちろん、疲れを癒やすという場所ですが、いろいろな意味で、中国社会の一旦を垣間見れる場所だと思います。また、マッサージ師さんと親しくなったりすると、一緒に、ご飯を食べたりとか、日本では考えられないくらい、違った濃密な体験ができます。