ゴッホ一枚500円、名画を手軽にゲット!! 深圳「大芬」油画村

2023年4月30日

深センの郊外に「大芬油画村」という、名画のレプリカを手軽に購入できる場所があります。

村といっても本当の村ではなく、町中にある一区画が、絵画のレプリカを大量に生産し、各地に卸売りする拠点になっていて、観光客やバイヤーが世界中から訪れるようです。(世界の油絵レプリカの60%を占めるとのこと)

1980年代には何もなかった土地に、香港の画商が作ったらしく、ある意味、深センを象徴するような村ですが、以下、ちょっと紹介してみます。(以下、コロナ前に訪問したものです。)

深圳「大芬」油画村

「大芬(だーふぇん)」油画村」は、地下鉄「大芬」駅から、歩いて5-10分くらいのところにあります。

村といっても、本当の村ではなく、いわゆる城中村(ちゃんじょんつん)の一区画で、入口も特に無く、東西南北、どこからでも出入りが自由になっています。

低層アパートの1階が、画廊なとの店舗になっていることが多く、上が居住区で、洗濯物が干してあったりして、生活臭も漂います。

村自体、そんなに大きくないので、アトランダムに1-2時間も散策すれば十分というところでしょうか。

というわけで、以下、個別で見ていきます。

画廊

まずは画廊。村の中に、こういった画廊がたくさんあります。

ほとんどの画廊が、印象派専門とか、肖像画専門とか、牡丹の絵専門とか、何がしかの分野に特化しているようです。

ただ、熱心に絵を眺めていると「二階にも、展示場があるので、見ていってねー」とか、呼び込みの中国人から声をかけられるので、じっくりと眺めるという感じではないです。

ゴッホ専門店

ゴッホ(梵高)の専門店もありました。

「ひまわり」「星月夜」「夜のカフェテラス」など、ゴッホの名作が、ずらり一堂に会しています。ゴッホ(梵高/fangao)は19世紀の画家なので、素材は自由に使われているようです。(ピカソなど没後50年経過していない画家に関してはNG。)

値段の方ですが、天猫など、ECサイトでも売っているので、そちらを参照すると、ゴッホのひまわり七枚セット1500-2600元(約30-50万円)なんてのがありました。割りと本格的なレプリカの場合、そこそこの値段はするようです。

ただ、路上に売られている、ゴッホなど名画の複製は、ほぼ二束三文で売られているようで(一枚500円とか)、複製の質によりピンキリみたいです。

ちなみに、ゴッホの「ひまわり」といえば、バブル期に日本の企業が50億円以上で落札して、バブルを象徴する出来事として話題になったことがありますね。今は昔ですが。

肖像画

有名人をモチーフとした肖像画はアチコチで見かけます。注文すれば、自画像も描いてくれるようです。毛沢東など、歴代指導者もモチーフになっています。

現代アートっぽいもの

全体としては、風景画、人物画などが多いですが、なかには、抽象画とか、現代アートっぽいものもあります。以下では、ジョンレノン、オードリーヘップバーンなど有名人をモチーフとした抽象画などを展示しています。

とにかく立ち寄って貰わなければ始まらないということか、こういった奇抜なオブジェをあちこちで見かけます。ドラえもん、兵馬俑と何でもあり。中国の国旗も結構、目にしますが、特に祝日と言うわけではないです。

 

油絵マーケット(超市)

昼頃になると、店がどんどん開き始め、村は賑わいをみせ始めます。絵画のマーケット(超市)もあります。一枚、30-50円(600-1000円)というお手頃な価格が多いようです。

激狭、個人店舗

こういった一坪ほどのスペースの店舗が軒を連ねています。

路地裏ミュージアム

路地裏も絵画売り場になっていて、さながら路地裏ミュージアムといった感があります。画工たちが、せっせと絵筆を走らせてます。

画材屋 アート書籍など

イーゼル、額縁などを扱う画材屋。毛筆専門店。アート専門書店など、絵画に関連する店もあります。

美術学校

美術学校(美术培训)の文字もみえます。

画廊喫茶

歩くのに疲れたら小休止。深センは暑いので、こういった画廊喫茶で涼みながら見て回るのもよいでしょう。飲食店もあります。

美術館

美術館も一応、あります。開館は、火曜~日曜9;00-18;00(月曜日閉館)

 

全体的な印象で言えば、アート村というよりは、マーケットという感じがしました。自分の家の壁に飾る絵が欲しいとか、そういう時にちょっと買って帰るのにいいかと思います。

大芬村 アクセス

大芬油画村」への最寄り駅は、地下鉄3号線「大芬」駅(あるいは隣りの「木棉湾駅」)。羅湖駅からだと30分くらい。最寄りの出口はA1出口。

ウォルマート、マクドナルド等の前を、道なりに歩いていくと「油画村」に行けますが、はっきりとした標識がないので、わかりにくいかもしれません。

大芬村 参考動画


NHK地球イチバン「世界一の油絵村~中国」 2013 11 28

この動画を見ると、深圳「大芬」油画村の内実がよくわかります。(演出家の木野花さんが取材しています。)

この村には、複製を描いて生計を立てている「画工」が8000人もいて、その多くは、自分のオリジナルの作品を描いて、生計を立てる「画家」として、やっていきたいというのが本音のようです。対して、画家は143人と、現実はなかなか厳しいようです。