【深圳エリアガイド】総合(羅湖・福田・南山・塩田・宝安)~深センの主要スポットをざっくりと紹介

2023年4月24日

深圳は、非常に大きな街で、特に東西に長く広がっており、場所によって全く違った表情を持っています。

市内の主要なエリアとしては、深センの黎明期から開けてきた「羅湖」、深セン市の中心に位置する「福田」、さらには、テック系企業などの進出でシリコンバレー化する、今、最も熱い「南山」などがあります。

 

以下、深圳市内の代表的なエリアについて、紹介してみたいと思います。

羅湖区

羅湖・国貿・・・・深センの歴史とともに

羅湖(ローフ)のイミグレから国貿のあたりにかけてのエリアは、鄧小平による経済開放政策により、深センが経済特区としてスタートして以来、深センで最も早くから開けた場所です。香港への玄関口「羅湖イミグレ」は、中国と香港を結ぶ大動脈として依然として健在です。

また、日系企業も、早くからこの地に拠点を構え、周辺には日本人御用達ホテルの「粤海酒店」をはじめ、日本料理店、日式カラオケ店なども集中しています。

詳細については、以下をご参照ください。

【深圳エリアガイド】羅湖Ⅰ(羅湖~国貿)~深センの歴史とともに歩む街

東門(老街)・・・・中国版渋谷・原宿?

東門(どんめん)」は、「老街」という名前でも呼ばれる通り、深圳でも、最も早くから開けた繁華街です。

衣料、靴、ジャンクフードといった、いかにも若者が好きそうなアイテムを中心に、商店がひしめき、さながら中国版渋谷・原宿?といった活況を呈しています。

あまり人ごみが好きでない人には、お勧めではないかもしれません。

かつては、偽DVDやCDなどの店が多かったですが、最近は、めっきり少なくなりました。

大劇院・・・・再開発の青写真も

地下鉄「大劇院」駅を中心とする界隈は、大劇院(大シアター)、書城(大書店)に加え、地王ビル(384M)や、京基金融中心(439M)といったランドマークが林立するビジネス街で、日系企業も多く入居しています。

また、現在移転しましたが、以前は、中国二大証券取引所のひとつ、深圳証券取引所も、ここにありました。

大劇院隣りにある、ライチ公園の正面には、鄧小平氏の大きな写真が飾られており、この街における鄧小平氏の存在感の大きさをうかがわせています。

近年、福田、南山の大発展に、影が薄くなった印象ですが、巻き返しを図るべく、この地区を再開発する計画もあるようです。

【深圳エリアガイド】羅湖Ⅱ(東門~大劇院)

福田区

華強北・・・・おしゃれ化する中国の秋葉原

華強北(ほわちゃんべい)は、別名「中国の秋葉原」とも呼ばれ、スマホ(智能手机)やコンピュータ(電脳)の卸売りセンターのような地区です。

ここに来れば、スマホやコンピュータに関する部品は、一通り、何でもそろうので、ガジェット好きには、たまらない魅力のある街です。

近年、新たな地下鉄路線が乗り入れたことで、地下ににショッピングモールができ、おしゃれな街へと変貌を遂げつつあります。

【深圳エリアガイド】福田Ⅱ「華強北」 ~変わりゆく電子街の今

福田中心区・・・・深センの心臓部

福田中心区は、文字通り、深センの心臓部といってもいい場所です。

巨大な市政府庁舎を中心に、西には深圳証券取引所、南には国際展示場「会展中心」を擁し、左右対称に、高層ビルが林立するさまは、躍動する深センを象徴するかのようです。

また、地下には、さながら、核シェルターを思わせるような巨大な地下街になっており、5本の地下鉄が連絡、さらには「広深港高速鉄道」の福田駅からは、香港へ14分でアクセスが可能です。

あと、週末の夜ともなると、福田中心区の高層ビル群をスクリーンに見立てた「灯光秀(ライトショー)」(写真)が行われ、そのスケールに圧倒されます。

福田中心区については、以下のサイトをご参考ください。

【深圳エリアガイド】福田Ⅰ(福田中心区)・・・躍動する深センの心臓部

車公廟・・・・単なる乗換駅を脱却できるか?

深センの東と西のちょうど中間に位置する「車公廟(ちゃーごんみゃお)」は、深センの要といった地点に属しています。

近年、地下鉄が4路線乗り入れ、深センの副都心的な役割を果たしています。

もともとビルしかない印象の街でしたが、最近、地下街も誕生し、単なる乗り換え駅というだけではなく、街に、あらたな客を呼び込めるか?が期待されています。

南山区

世界の窓~深大  ~テーマパークからIT、大学まで

南山区の「世界の窓」から「深大」にかけての周辺は、「世界の窓」をはじめとするテーマパークから、IT関連企業、さらには深圳大学と、エンタメからIT、大学まで、さまざまな顔をもつところです。

世界の窓(世界之窗)」は、エッフェル塔やピラミッド、日本の桂離宮など、各地の世界遺産が1/20サイズのレプリカで再現されており、深センの定番観光スポットとなっています。他にも、中国55少数民族を一同に集め、文化・風俗を体験できる「中国民俗文化村」や万里の長城や兵馬俑など中国の世界遺産を一同に集めた「錦繍中華(ミニチャイナ)」など、さながらテーマパーク銀座となっています。

また「ハイテクパーク(高新園)」は、テンセント、ZTEなど、深センのハイテク企業、人材が集積している地区です。中国のシリコンバレーをいうイメージは、このあたりのIT産業集積地のイメージが大きいかもしれません。また、駅北側には近年「万象天地」という、ちょっとアメリカナイズされた街が誕生して、活況を呈しています。

さらに西へ行くと、深セン唯一の総合大学「深圳大学」があります。そのキャンパスは広大で、構内専用のオープンカーが走っているほど。ここで、語学の学習をしている日本人も結構いるようです。

后海・海岸城・・・・南山随一の商業地区

后海(ほうはい)」地区は、以前は、何もないような場所でしたが、2007年、香港との間に、深圳湾口岸(イミグレ)が開通して以来、近年、急速に発展してきた地域です。

海港城(はいあんちゃん)」の歩行街には、ショッピングモールをはじめ、娯楽、文化施設も多く、近年、この地区に、オフィスを移す日系企業も多いです。(イオンは撤退しました)

また、后海と隣接する区域には「ソフトウェア産業基地」というスタートアップ企業を支援する街を始め、いわゆるBAT(百度、アリババ、テンセント)のIT巨人が拠点を作っており、さながらシリコンバレーといった様相を呈しています。

また、近くにできた、「深セン人材公園」は、都市型公園として、市民の憩いの広場となっています。

蛇口・・・・異国情緒漂う街

蛇口(しぇーこう)」は、深圳の西の端にある街ですが、ここまで来ると、深セン市内の喧騒が嘘のように、ひっそりと静かなたたずまいを見せ、「ほんとうに、ここは深センなのか?」と錯覚を覚えてしまうほどです。

「蛇口」はインターナショナルスクールなどが集中する欧米人が多い場所です。特に、海上世界の周辺は、オープンテラスのカフェやパブ、各国料理店も多く、異国情緒が漂ってます。

また蛇口フェリーターミナルは、香港、マカオ、珠海他へ向かうフェリーの起点となっており、アクセスのよさから、古くから日系企業、日本人が多い地域です。日本人学校も、この地区にあります。

前海・・・・深センの未来がココに!!

前海(ちぇんはい)は、深センの未来を映し出す鏡のような地区です。

未だ、産声を上げて間もない地区ですが、金融経済特区として、着実に始動し始めています。

「前海」と「后海(後海)」、合わせ鏡のような位置にある、2つの街が織りなす未来に注目です。

塩田(盐田)区 ~山もあれば海もある

塩田(盐田/いえんてぃえん)区は、深センにある9つの区の中で、人口が最も少ない(25万人)区ですが、そのぶん、山や海が近いので、自然に恵まれています。

深セン随一の高さ(944m)をほこる「梧桐山(うーとんしゃん)」は、深圳市内から比較的近いこともあり、手軽に登山を楽しめるスポットとして、中国人の定番ハイキングスポットとなっています。

また「大梅沙・小梅沙」のビーチは、市内からも比較的近く、深圳市民が手軽に海水浴できる場所として知られています。近年、地下鉄の8号線が開通したことで、市内中心部へのアクセスもよくなりました。

あと、沙頭角(しゃとうかく)イミグレの一画に「中英街」という、中国のような香港のような、いまだに、外国人が入れないという謎めいた場所が存在します。

宝安区  ~深セン最大区

宝安(ばおあん)区は、深センの西にある区で、面積は397km2、人口は325万人。これは、深センにある9つの区の中で、ともに最大で、行政区というには、あまりにも大きすぎる規模といえそうです。光明区と龍華区を分離して、これですから、その巨大さがうかがわれます。

ちなみに、宝安区は、もともと経済特区ではありませんでしたが、2010年7月1日、深圳経済特区の一部として編入されました。また、以前は、域内のアクセスは悪く、治安も悪かったですが、近年は、地下鉄の整備も進み(1号、11号、12号、20号など)深圳市内中心部とのアクセスが、かなり良くなっています。

また、区内の福永地区には、深圳宝安国際空港を有し、深センの空の玄関口としての顔ももちあわせています。

深圳宝安国際空港 Ⅰ ターミナルビルとフライト情報