「木桶飯(むーとんふぁん)」 中国のローカル飯

中華レストランとかではなく、もっとカジュアルな、そのへんにあるローカルのめし屋に、ふらっと入って食べてみるのも、中国生活ならではの醍醐味でしょう。

例えば「木桶飯(むーとんふぁん)」なんか、いかにも中国的な感じでいいですね。木桶飯とは、文字通り、木の桶に、ご飯とおかずが盛られているもので、見た目にもインパクトがあるし、中国のローカル飯の代表選手といってもいいでしょう。

ただ、中国のローカル飯は、油が多すぎたり、味付けがコすぎたり、辛すぎたりと、なかなか、日本人にあうものがないですが、以下のような店など、いいかもしれません。(以下、過去のブログ内容の転載となります。)

中国のローカルめし屋「湘粉人家」の木桶飯を食う

深センに「湘粉人家」という「木桶飯」のチェーン店があって、もう十数年以上も営業しているので、移り変わりの激しい、深センの飲食店の中で、よくやっているほうでしょうか。以下は、地王ビル(大劇院)から解放路沿いに少し歩いたところにある店。

注文は、メニューを見ながら、カウンターで。目安としては、単品で、だいたい15元前後(300円)。湯(スープ)か飲料をセットにして、20-30元(400-600円)程度といったところでしょうか。

試しに、梅菜扣肉飯(豚の角煮と梅菜)と酸梅汁(梅ジュース)を注文してみました。しめて28元(560円)。

とりあえず適当に座って待ちます。お茶はセルフサービスで、店内の給水器から適当に入れるようになっています。

木桶めし屋の場合、大抵の場合、こういう民芸風の照明が天井からぶら下がっていたり、壁に絵が描かれていたりします。奥のジャージは高校生だろうか、中国の学生は、小学校から高校まで、皆、ジャージをはいています。

ちなみに「」という文字が入っている店は、大抵、湖南料理を指します。さしずめ、湖南の家庭料理といったところでしょうか。湖南料理というのは、激辛で有名ですが、ここは、心配するほど辛くないです。もし、辛いのが苦手な場合は「微辣(うぇいらー)」「少辣(さおらー)」と言えばいいと思います。

待つこと、5分位。早速、注文したものが登場。梅菜扣肉飯と酸梅汁、それに、ピリ辛のお新香みたいなのがついてますね。

ちなみに、以前は、完全に木桶でしたが、途中から、桶の内側が鉄になりました。たぶん、完全に木だと、衛生上の問題がでてくるので、こいう形になったと思われます。

梅菜扣肉飯(めいつぁい・こうろう)

梅菜扣肉(めいつぁい・こうろう)とは、豚の角煮をスライスしたものに、梅菜と呼ばれる、黒い漬物みたいな野菜を和えたもので、一般的には、客家料理に属するといわれています。客家料理は、本来、広東系のはずですが、そのあたりは適当で、それぞれの地域に合わせて解釈しているようです。

ちなみに、こういった、中国のローカルめし屋というのは、その日によって出来にムラがあって、なかなか、ぴたりと一定の品質になってくれません。「おっ、今日はやけに、飯がうまくたけてる」と思うと、別の日にはダメダメだったり、そんな感じ。これは、こういった一般のめし屋、ファーストフード店など、どこでも同じで、同じ店員が同じマニュアルで作っているはずなのですが、全く不思議です。

酸梅汁(梅ドリンク)

次に、酸梅汁(すゎんめいじ)とよばれる、梅ドリンク。これがすこぶる美味い。

ただし、氷を入れないといささか濃いので、氷が入ってないときは、氷を入れてもらうといいでしょう。その場合は「加氷(じゃーびん)」「放氷(ふぁんびん)」といえばよし。ちなみに炭酸は入ってません。

 

木桶飯 他のおすすめメニュー

ここで、その他のメニューを、ちょっと紹介してみます。どれも、中国のごく一般的な家庭料理、いわゆる家常便飯(じゃーちゃんびぇんふぁん)と呼ばれるものが中心なので、食べやすいでしょう。

紅焼茄子飯(ナス炒め飯)

どこの飯屋にもある定番中の定番。

とにかく、中国のナスは巨大で、その巨大なナスを縦長に切ったものを、豚肉と唐辛子で炒めたもので、感覚的には、麻婆ナスに少し近いかもしれません。

ただ、大量の油が、茄子に染み込みまくっているので、まともに食べていると、確実に体重を増加にいざなってくれます。まさに、メタボ街道一直線な一品です。

番茄炒蛋飯(トマトと卵炒めご飯)

これも定番。トマトと卵を油で炒めただけという、超シンプルな一品。ポイントとしては、トマトが、ベトベトになっていないかどうか。ベタついて、冷めていると、気持ち悪くて食べられません。

ちなみに、中国では、冷えたものを身体に入れるのはよくないという考え方があるためか、トマトは炒めて食べることが多いです。なので、スーパーで売っているトマトも、炒めることを前提にしているためか、冷やたまま、食べようとしても、硬くて、まずいです。

土豆丝飯(じゃがいも千切り飯)


じゃがいもの千切り(土豆丝/とぅどうす)を、ご飯と一緒に食べるだけという、これまたシンプルな一品。

中国では、じゃがいもは、千切りにすることが多いようです。

 

炒飯(チャーハン)

チャーハンは、別に珍しくもなんともないですが、この手の店で供されるチャーハンは、不思議と、パンチが効いていて、美味いのが不思議。

 

 

米豆腐

あと、ご飯モノや湯(スープ)以外に、サイドメニュー(単品)もあります。

例えば、この米豆腐(みーどうふ)という米で作った豆腐。こいつが、なかなか美味い。

関係ないですが、「芙蓉鎮」という昔の中国映画の中で、この米豆腐を役者がうまそうに食べてましたね。

 

「湘粉人家」ロケーション

この「湘粉人家」は、現在、深センに20店舗ほど展開中のようです。

湘粉人家(深セン市内)

これは、福田にある店舗の前。店の前で、店長がスタッフに訓示をたれてます。中国の街角のどこにでも見かける風景ですね。

類似店も

ちなみに、ここの類似店も結構あるみたいなので注意が必要です。以下、違いが微妙すぎて、区別もつかないですね。


中国では、一つの店が流行りだすと、どこからともなく類似した店舗がどんどんできてしまいます。店名から、コンセプト、外装、内装、メニュー、店員の服装まで、半端なく真似するので「よく訴えられないな」とこちらが心配になってしまいます。

まあ、類似店が全く悪いというわけではないですが、やはり本家を越えることはできていない気がします。