中国でローカル病院に行く際に注意しておきたいこと
海外での生活で、何が一番、困るかといえば、やはり病気ではないかなと思います。
日本に帰って受診できればいいですが、現在のようなコロナ渦だと、現地の病院で見てもらうしか無いこともあるでしょう。
「言葉は通じるのか?」「検査はちゃんとやってくれる?」「いくらくらいかかるの?」
ただでさえ、病気で不安なのに、さらに別の心配までしなければならないわけで、精神的に押しつぶされそうになります。これは、海外に住んでみないとわからない心細さです。
以下、中国のローカル病院(「医院(い-ゆえん)」)で診察を受けるときの要点について列挙してみました。
中国の病院 日本との違い
まずは、中国の病院と日本の病院の違いについて、いくつかあげてみます。
言葉
最大の違いは、当たり前ですが、言葉が通じないということでしょう。中国語がある程度、流暢に話せるという人でも、医療用語というのは独特ですので、かなりハードルが高いです。
医師によっては英語を話せる人もいますが、不安であれば、やはり日本語のできる中国人についていってもらうのがいいと思います。日本語が通じる通じない以前に、知っている人が近くにいるということで安心感もあります。
あと、日本の駐在員とかだと「北京大学病院」とか、保険会社が指定する病院とか日系クリニックがあるはずなので、そこに行けば通訳もいるし、英語も通じやすいかもしれません。
料金システム
次に、中国の病院は、料金、前払い です。
日本だと、受付、診察、検査、いろいろやって、最後にまとめて支払いますが、中国の場合、診察の前にお金、検査の前にお金、薬貰う前にお金と、全部、事前に払わなければなりません。しかも、その都度、支払わなければならないので面倒くさいです。
中国では、以前は受け逃げをする人もいたので、そういう習慣になっているのかもしれません。ただ、現在はスマホで個人情報が管理されているので、そういうことはできないとは思いますが・・・
つまり、お金がないと、何もしてくれない恐れがあるので、急病の時に、銀行口座にお金が入っていないというようなことがあると、困りますね。
保険
駐在員の方だと、何がしかの保険に加入しているはずなので、後で、保険を適用してもらうことになります。診察や検査の内容について、しかるべき書式の証明書を出してもらうように、言いましょう。
日本の国民保険で還付を受けることもできるようですが、その場合、病院側に証明書をだしてもらい、それを日本の役所に提出します。
ちなみに、以前、自分が申請したときは、途中で挫折?しました。中国で証明書をもらい、日本の役所に提出まではできたものの、治療を受けた期間に、確かに海外にいたかどうかを照合するために、パスポートの日付の有無(なんじゃそりゃ!)な理由で、できないという事で、結局、額も少額だったので、「もうええわ!!」となった経緯があります。
中国の病院 受診の手順
次に、実際に受診の手順について、見ていきます。
昨年、自分が病院の眼科に行った時のことをもとに、書いてみます。行ったのは、深セン羅湖にある「羅湖医院」というローカル病院で、可もなく不可もない程度だったと思います。
門の前でアプリに登録
まずは、門前で「健康コード」を提示して通過します。健康コードは、最低、緑色であることが必要です。
また、別途、専用のアプリをインストールして、個人情報を入力して、登録します。
受付にて番号を取る。(挂号)
次に、一階の総合受付で、番号をもらいます。
いわゆる「挂号(ぐわはお)」というやつで、係の人に、簡単に病状を話して、自分がかかるべき科の受付番号をもらいます。
その際、いくらかの金額(30元ほど)を支払います。
診察を受ける
レシートに、何階の「◯◯科」の何号室(診室◯)というふうに、書かれているので、そこに行けばいいはずですが、中国の病院は、カオス状態になっていることも多く、わかりにくいかもしれません。
診察室の場所がわからないときは、各階にある案内カウンターか、通りがかりの医療関係者に聞けばいいと思います。
自分の待つべき診察室の前で待って、順番が来たら、診察を受けます。前にも言ったとおり、自分の症状が中国語で言えない場合は、通訳を頼むなりしたほうがいいでしょう。
簡単な聞き取り、診察をしたあと、医師から、検査項目のついた紙を渡されるので、検査を受けに行きます。
お金を払う
中国では、検査を受ける前に、お金を払わなければなりません。(中国では前払いが原則)
お金は、各階にある、精算所でお金を払います。最近は、だいだい、ウィーチャット(微信)、アリペイ(支付宝)払いになっています。
お金を払ったあとは、いくつかの検査室に向かいます。
検査を受ける
各部屋に検査員がいるので、彼らの指示に従って、検査を受けます。
再度、診察室に行く
すべての検査を受け終わったら、検査結果を持って、最初に受けた診察室に行って、再び医師の判断をあおぎます。
その際、検査の結果等をもらうと思いますので、それを大事に保管しておきましょう。別途、保険の適用を受けたい場合は、その旨を先生に言えばいいでしょう。(英文併記のものが必要など)
薬をもらう
あと、薬を処方されると思うので、処方箋をもって、薬を受け取りに行きます。
薬は、二種類あって、西薬(しーやお)はいわゆる普通の薬、中薬(じょんやお)は漢方薬です。漢方薬があるのも、中国ならでは、というところでしょうか。
西薬と中薬の窓口は、違う場所にあります。また、薬を受け取るのは、病院内となります。まあ、昔の日本と同じような感覚ですね。
まとめ
以上、中国で病院に行く際の注意点でした。
何かと勝手が違うので、とまどうところもあるかと思います。ただ、自分の印象では、案外、しっかりとやってくれるし、高度の検査とか、手術、入院とかにならない限りは、そんなに費用はかからないのかなと思いました。
自分が眼科で検査と診察を受けたときは、診察、検査、薬代あわせて、400元程度(保険無し、7500円程度)でした。
まあ、日本に戻って、日本の病院に行けるに越したことはないのでしょうが、この状況下では、簡単に日本に帰ることができないので、ローカルの病院にかかることにも、慣れるしか無いでしょう。
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