港式茶餐厅(香港式ファミレス)の世界 ~茶餐厅あるある10選

2023年5月3日

中国にいると、常に何を食べるかということで悩みは尽きません。

日本料理屋ばかりでは高くつくし、中華レストランは少人数で食事をするには不都合。かといって、出前やファーストフードばかりでは飽きてしまう。そんなときに、港式茶餐厅(がんしー・ちゃーつぁんてぃん)なんか、いかがでしょう。

「港式茶餐厅」は、香港風のファミレスくらいのニュアンスとなるでしょうか。深センは香港に近いので、結構、遭遇率は高いと思います。

以下、「港式茶餐厅」について、少し、語ってみます。

(ちなみに「氷室(びんさっ)」というのもありますが、茶餐厅と似たようなものと思っておけばいいでしょう。)

港式茶餐厅(香港式ファミレス)の世界 ~茶餐厅あるある10選

そもそも茶餐厅とは? ~茶餐厅あるある10選

といっても、「そもそも、茶餐厅って、何なのよ?」という感じの方もいるかもしれません。

一般のローカル外食店と茶餐厅の区別がわかりにくい場合、見分け方としては、以下のような特徴(茶餐厅あるある)に注目すればいいと思います。

○「●●茶餐厅」などの名称を名乗っている。
○店先に鴨や鶏が軒先につるしてある。
○背もたれのあるボックス席になっている。
○「下午茶(はーうーちゃ)」メニューがある。
○壁一面に日替わりメニューがはられている。
○壁にTVがついていて、香港の広東語TV(TVBなど)が流れている。
○「東方日報」「太陽報」など、香港の新聞が置いてある。
○店内言語は、広東語が主流。(店員同士が「阿○」と呼び合ったり、香港親父が広東語で世間話に花をさかせていたりする。
○「引き出し」から、フォークとスプーンが、出せるようになっている。(場所が狭い香港ならではの、空間を無駄なく利用するための工夫。)
○お湯につかった、箸とスプーン(またはレンゲ)が出でくる。

以上、なんとなく「茶餐厅」のイメージかなと思うところを、適当にあげてみました。10個中、7個以上当てはまっていれば、かなりコテコテといえるのではないでしょうか。

茶餐厅、注文の仕方

ちなみに注文するときは、メニューが有るので、最悪、指でさせばいいので、問題はないでしょう。ただ、茶餐厅のメニューは、とにかく多いし、しかも、びっしりと漢字が並んでいるので、最初は戸惑ってしまうかもしれません。

とりあえず、「飯」「面」「粉」など、大まかな区分を押さえ、「多士(トースト)」「三文治(サンドイッチ)」のような代表的なところを押さえてしまえば、あとは、大体どんなものが出てくるか想像がつくようになります。

注文するときは、もちろん普通話でも構いません。

お味は一口で言えば「コテコテ」です。香港人というのは、濃厚なものが好きなようで、これは、旧宗主国の大英帝国の影響なのかどうかは知りません。薄味、あっさりが好みの方にとっては、ちょっときついでしょう。

特に、茶餐廳のミルクティ(奶茶/ナイチャ)は、そのレンガ色の風貌といい、濃厚な味といい、はじめはとまどうかもしれません。しかし、南国の気候とあいまって、あの濃厚さに慣れてくるから不思議なものです。

また、鸳鸯咖啡(ユンヤン・カーフェイ)という、ミルクティとコーヒーをブレンドした、香港特有の飲み物もあります。(鸳鸯は、おしどりの意味)

深センにある茶餐厅

茶餐厅ですが、そこいらにいくらでもあるので、適当に入ればいいですが、以下、よく聞く、有名な茶餐厅をいくつかあげてみます。

翠華

翠華」(ついほゎー/ちょいわー)は、1967年開業で非常に歴史のある「茶餐厅」で、2012年には、香港市場にも上場(1314)しています。(茶餐厅としては、初の上場)

一般の「茶餐厅」よりも少し洗練された感じがあり、ワンランク上の「茶餐厅」といった感じで、その分、値段が高めになってます。

近年、深センの地下鉄駅近辺でよく見かけるようになっています。出前にも対応しているようです。

香港茶餐厅の老舗「翠華」でアフタヌーンティー(下午茶)をいただく

太興

「太興(たいしん/たいひん)」は、いわゆる、焼味(鶏、鴨、叉烧(チャーシュー)などのロースト)がうまい店です。

1989年香港で開業して以来、30年ほどの歴史があるようで、こちらも、香港市場に上場(6811)しているようです。

ボックス席が、クリーム色と茶色の背もたれになっているとか、テーブルの「引き出し」から、フォークとスプーンが、出せるようになっているなど、茶餐厅っぽい内装となっています。

あと、アイスコーヒーが、こんな感じで、でてきたりして、面白いです。

大快活

大快活(だーくぁいふぉー/だいふぁいう)は、香港の有名中華ファーストフードチェーンで、茶餐厅とはいえないかもですが、茶餐厅の様式を取り入れた、中華快餐とでも言えばいいでしょう。

オレンジ色を基調とするモダンなデザインと無国籍風BGMは、結構ユニークで、一見の価値はあるでしょう。また、店員のユニフォームも独特で、野球のユニフォームのような制服を着ている店員もいます。

お味の方は、オーソドックスな香港の茶餐厅テイストでコテコテです。オススメは、香港式カレー、海南鶏飯など。

地下鉄「羅湖」駅、羅湖商業城2階(羅湖火車駅向かい側)

地下鉄「会展中心」駅、福田のリンクシティ内

香港は、至るところにあります