デジタル人民元(数字人民币)のウォレット(銭包)を作ってみました

2023年4月10日

以前、デジタル人民元数字人民币/しゅーずれんみんびー)が、話題になってましたが、その後、使う機会もないし、どうなっているんだろう?と思って、ちょっと、自分でデジタル人民元のウォレット(銭包/ちぇんばお)を作ってみました。

先に結論から言うと、ウォレットは作れましたが、中国の身分証がないと銀行口座とのリンクができず、入金はできませんでした。実際に使うには、デジタル人民元を持っている人から、何らかの形で送金してもらうなど、する必要がありそうです。

というわけで、あまり意味があるかどうかわかりませんが、以下、ウォレット(銭包)を作るまでの手順について、紹介してみます。

デジタル人民元(数字人民币)のウォレット(銭包)をつくる手順について

1 アプリをインストールする

まず、アプリストアで、ダウンロードして、インストール(安装/あんじゅあん)します。

2 登録(注册)する

インストールできたら、登録(注册/じゅーつぁ)します。

「北京、天津、河北省、大連、上海、江蘇省、浙江、福建、山東、長沙、広東省、広西、海南省、重慶、四川省、雲南、西安」とう感じで、実験段階とは言え、かなり使用できる地域が広がってます。「同意して登録する(同意并继续注册)」をクリックします。

すると、「新しいユーザーの登録(新用户注册)」とでますので、自分の携帯番号を入力して、クリックします。

「認証コード(验证码/いぇんじょんまー)」が送られてきますので、それを入力して、クリックします。

これで、登録(注册)は完了です。

3 ウォレット(钱包)を作る

注冊が終わったら、ウォレット(钱包/ちぇんばお)を作ります。まず「デジタルウォレットの開通(开通数字钱包)」下の説明は読んでも読まなくとも構いません。

そのまま、「次へ(下一歩)」クリックします。

次に、適当な名称を決めて、「ウォレットの名称を設置(设置钱包名称)」をクリックします。名称は何でもいいようです。

以上で、ウォレット(钱包/ちぇんばお)ができました。以下のようなメッセージが出ますので、「同意」をすると、自分のスマホ上で、既に、インストールしているアプリ(APP)で、このデジタル人民元のウォレットで支払える、サービスがでてくるので、とりあえず、「ウォレットスピード決済を開通(开通钱包快付)」をクリックしておきます。

 

すると「開通成功」となります。現在の金額は、0元になってます。下に、「钱包名称」「钱包编号」「手机号码」「钱包类型」というのがずらずらと出てくると思います。

「钱包类型」四类钱包(非实名)となってますが、このままでは、まだ実名に依拠していないおさいふ状態で、信用力が薄いので、入金額や取引できる金額が限られるようです。

4 ウォレットに入金(充钱包)する

次に、実際に、ウォレットに入金(充钱包/ちょん・ちぇんばお)してみます。適当に金額を入力して、以下「銀行カードでの入金、簡単で迅速(银行卡充钱,简单快捷)」をクリックします。

すると、エラーが出て、「カードをリンクして、二類ウォレットへアップグレード(绑卡升级为二类钱包)」してくださいとでますので、クリック。

ここで、問題が発生します。名前と身分証番号を入力する欄が出てくるんですが、パスポート(护照)では、以下のようになって、やはり中国の身分証がないと、銀行の口座とリンクできないようです。

自分の銀行口座とリンクできないとなると、あとは、デジタル人民元を持っている人から、譲り受けるしか無いかもしれません。一応、以下のような感じで、自分のアカウントはできています。

そもそも外国人が使えるのかどうか、わかりませんが、その後、進展があれば、また、紹介してみたいと思います。もし、いい方法があれば、ご教授いただければ、ありがたいです。

あとがき

デジタル人民元(数字人民币)ですが、銀行のATMとか、スーパーの自動レジとかで、「数字人民币」という標識は、よく見かけるものの、実際に、それを使っているような印象はないです。

ただ、実証実験は着々と進んでいるようで、当初は、深圳、蘇州、雄安、成都と北京冬季オリンピック会場だけだったのが、現在は、主要都市では、ほぼ使用できるようになっているようです。

また、以上のような、アプリ方式の「ソフトウォレット」だけではなく、「ハードウォレット」の普及も始まっているようです。

 

ちなみに、深圳で最初に、試験的にデジタル人民元の無料配布があったとき、10万人に対して、1人辺り200元配布されましたが、自分はもちろん、自分の周囲にももらった者は一人もいなかったです。

しかも、そのことを知っている中国人もあまりいない感じで、自分が、デジタル人民元のことを言うと「そういえば・・」みたいな反応が多かったです。(反応薄すぎ!)

しかも「いくら、もらえるんですか?」(←そっちかい!)というので「一人200元」といえば、「なーーんだ(それっぽっち)」という反応。

「いやいや、そこじゃないでしょ!!」と言いたくもなりましたが、一般の中国人なんてその程度の認識です。まあ、すでに、ウィーチャットやアリペイなど電子マネーが完全に普及してしまってるので、今更、似たようなものが流通したとしても「別に・・」という感覚なんでしょうね。