週末にお手軽小旅行も可能!!深セン近郊の高速鉄道路線について

ゼロコロナも終了し、移動が自由になってきました。中国在住の方は、せっかく中国にいるのですから、週末や連休にちょっと小旅行にでもでかけてみるのもいいかもしれません。その点、中国も近年、高速鉄道がかなり整備されてきているので、手軽に旅行できる場所も増えているようです。

以下、深セン近郊の高速鉄道について、紹介してみたいと思います。

深セン近郊の高速鉄道路線について

深センを出発点とする高速鉄道は、現在、以下のような路線があります。

1 广深港高鉄
2 广深城際
3 厦深鉄路
4 穂深城際
5 赣深高鉄

ちなみに、一口に高速鉄道といっても、列車のタイプは、高鉄(G)動車(D)城際快鉄(C)の三種類あるようで、「高鉄(がおてぃえ/Gaotie)」は、最高時速300キロと一番速く、いわゆる中国版新幹線と呼ばれるやつ、一方、「動車(どんちぇー/Dongche)」「城際(ちゃんじ/Chengji)」は、最高時速200キロ前後とやや遅く、日本のJRの特急と新幹線の中間くらいになりそうです。

「動車」と「城際」の区別はわからないですが、「城際」というのは、深センから広州みたいに、都市と都市を結ぶ鉄道という意味あいが強いのかなと思います。(中国語で都市は城市(Chengshi))まあ、区別できなくとも、乗る分には困ることはないと思いますが、一応、列車番号の頭文字(G、D、C)で区別できるようになってます。

以下、一つずつ、見ていきます。

1 广深港高铁(香港西九龍~深圳~広州南)

深センの近場で行ける手軽な行き先として、香港を除けば、まず上がってくるのが、広州でしょうか。

広州へ行く路線はいくつかありますが、以下の广深港高鉄(ぐあんしぇんがん・がおてぃえ)は、その一つで、香港西九龍から、福田、深圳北、光明城、虎門、慶盛を経由して広州南までを結んでいます。

ちなみに2021年以降、広州東まで行く便もでき、広州の中心へダイレクトに行くことができるようになり、アクセスも向上しているようです。所要時間は、広州南〜香港が最速47分。深圳〜香港が最速14分。席種は、二等・一等・商務の3種類です。

広州南からは「京广高铁」と接続して、北京まで行くこともできます。香港、北京間を約9時間で結んでいます。

開業は2011年末に、先ず、広州南~深圳北間が開通、その後2015年末に深圳福田駅まで延伸。香港側はさらに遅く、2018年9月23日にようやく開通しました。中国大陸と香港のイミグレは、色々問題はあったものの、結局、利便性重視で一地両検方式を採用し、香港側(西九龍駅)にまとめられることになりました。

詳細については、以下のページを参照ください。

深圳から香港へ「高鉄(がおてぃえ)」で移動する(福田⇒西九龍)

2 广深城際(深圳羅湖~広州、広州東)

広州方面に出るには、广深城際(ぐぁんしぇん・ちゃんじ)もいいかもしれません。この路線は開業が2007年と、高速鉄道路線としては最も早く、いわば草分け的な存在といえると思います。香港とのイミグレに近い、深セン駅(羅湖)を始発駅として、平湖、樟木头、常平、東莞、広州東(広州)の順番に各駅に停車します。

以前は、深圳から、広州東など広州市内中心を結ぶ、唯一な高速路線でしたが、近年、前述の广深港高鉄も広州東に行けるようになったので、以前よりは、優位性は薄れている気がします。

詳細については、以下のページを参照ください。

深圳から広州までの移動方法 Ⅱ 广深城際(羅湖-広州東)

3 厦深铁路(深圳-アモイ)

広東省東から、福建省方面へ向かうには、厦深鉄路(しゃーしぇん・てぃえるー)が便利です。厦深鉄路は、深圳とアモイ(厦門/しゃーめん)を結ぶ路線で、深圳北から、恵東、汕尾、潮汕などを経て、廈門北まで結んでいます。(全長502.4km、19駅)

最高時速200-250kmで運行し、深圳北-廈門北間を3時間で走行。一等車181元、二等車150.5元。

2013年末に開通して以来、広東省東部へのアクセスも向上し、潮汕(ちゃおしゃん)あたりは、お手軽な日帰り旅行先になりました。また、福建省のアモイ(厦門)へも、気軽に足を伸ばせるようになっています。

4 穂深城際(深圳空港-広州東)

穂深城際(すいしぇん・ちゃんじ)は、2019年末に開通した、深センと広州を結ぶ第三の路線です。ちなみに「穂」というのは、広州の略称のようです。深セン空港駅から途中、長安、虎門、厚街、東莞西、広州東駅へと結ぶ城際路線で、宝安など、深セン西部地区から広州に向かう新たな交通の足となっているようです。

深セン空港駅から広州東駅までの所要時間は1時間48分、料金は81元から。停車駅が多いからか、距離の割には、結構、時間がかかるように思います。また、1日の運行本数も16本と少なめです。

将来的には、東へ延伸して、深セン市内中心部までくるようですが、当面は、出発地点が、深セン空港なので、利用者は宝安など深センの西側に住んでいる人か、深セン空港の利用者が中心と思います。あと、深セン空港での「穂深鉄路」駅へのアクセスが悪く、長い通路を延々と歩かされるようです。

5 赣深高铁(深圳北~赣州西)

赣深高鉄(がんしぇん・がおてぃえ)は、深圳(深圳北)と江西省(赣州西)を結ぶ路線で、2021年末にできた、比較的、新しい路線です。ちなみに「赣(がん)」というのは、江西省の略称のようです。

全長は436.37km、深センから途中、東莞、恵州、河源を経由して、江西省の赣州市までを結んでいます。これまで、湖南省とか福建省方面に行く高速鉄道はありましたが、江西省方面は手薄でしたので、沿線住民にとっては朗報と言えそうです。

また「京港高铁(北京-香港)」の一部分(赣深段)にもなっていて、その先の、南昌、景徳鎮、安徽省などへも行けるようになっているようです。

深センの高速鉄道駅

深センから、近隣の省に向かう高速鉄道を利用する場合、起点となるのが、高速鉄道の駅です。以下、深圳市内の高速鉄道駅です。

駅名 路線 規模 主な行き先 最寄り駅
福田 広深港高鉄 4台8線 香港、広州など 地下鉄1.2.3.4号線「会展中心」駅など
深圳北 広深港高鉄、赣深高鉄、厦深鉄路 11台20線 香港、広州、アモイ、北京など 地下鉄4.5.6号線「深圳北」駅
光明城 広深港高鉄、赣深高鉄 4台8線 広州など 地下鉄6、13号線「光明城」駅(予定)
深圳坪山 厦深鉄路 4台8線 アモイなど 地下鉄16号線「坪山」駅
深圳(罗湖) 広深城際 4台8線 広州 地下鉄1号線「羅湖」駅
深圳机场 穂深城際 2台2線 広州 地下鉄1号線「机场」駅

高速鉄道の起点「深圳北」駅について

深センから、近隣の省に向かう高速鉄道を利用する場合、最も路線が多いのが「深圳北」駅です。場所は、その名の通り、深圳の北にあります。

まずは、地下鉄(4・5・6号線)で「深圳北」駅下車。写真は地下鉄4号線の「深圳北」駅ですが、地下鉄のホームですが、高速鉄道をまたぐようになっているので、ひときわ高いところにあります。高速鉄道駅舎の屋根を支える?頭上の鉄骨が印象的です。

 

とりあえず、深圳北駅(高鉄)の表示に従って進みます。

東広場、とにかくスケールがでかいです。中国人は、とにかくでかいのが大好きです。

駅舎の廂の中、左手に券売機がありました。(パスポート(护照)が使えるかは不明)正面に、有人の切符売り場(售票处)もあります。

 

ちなみに、現在は、「鉄路12306」というアプリを使って購入するのが主流になっていますので、こういった窓口で紙のチケットを発行する必要がなくなっています。「鉄路12306」アプリの使い方については、以下、ご参照ください。

中国の鉄道チケットを購入する方法~「鉄路12306」の注册から購入まで

高速鉄道駅構内。鉄道の駅というより、もはや空港という感じです。

11台20線、ホームもやたら広い。停車中の和階号

 

深圳北駅から中国各地へ主な行き先、値段、所要時間

深圳北駅から中国各地への行き先は、香港,広州をはじめ、厦門、福州、長沙、武漢、西安、上海、北京など、中国各地とダイレクトに結んでいます。以下、行き先別の値段と所要時間です。(一応の目安程度とお考えください)香港、広州は頻繁にあるようですが、上海、北京など遠方への直行便は、一日数本程度のようです。

行き先 最低価格(元) 最短所要時間
香港西九龍 75元 18分
广州南 74.5元 30分
潮汕 135元 1時間56分
厦门北 190元 3時間15分
福州南 290元 4時間50分
長沙南 388.5元 3時間15分
上海虹橋 615元 11時間
武漢 538元 4時間18分
西安北 913元 9時間37分
北京西 1039元 8時間9分

中国高速鉄道 マップ

以下、中国全土の高速鉄道のマップです。(2015年時点のものなので、穂深鉄路などそれ以降にできたものは、載ってないようです。)

ちなみに、中国の高速鉄道の総延長は4万キロ以上と日本の新幹線の10倍以上の規模で、さすが国土が大きいだけのことはあります。将来的には7万キロまで延伸予定とのことです。

 

PDF版 gaotie-map