中国で銀行口座をつくる方法と注意点について(ATM、預金金利、両替、送金)

2021年5月11日

中国で生活する際に、とりあえず不可欠なのが、銀行口座(银行账户/いんはんじゃんふ)でしょう。

実際に、店舗に行くことは以前に比べると、随分と減ったと思いますが、それでも、口座開設の際は、最寄りの銀行の窓口まで行かねければなりません。

ここでは、中国での銀行口座開設と利用方法について、少し説明してみます。

中国で銀行口座をつくる方法

人民元口座開設に必要なもの

最寄りの銀行に行くときに、以下のものを用意しておいてください。

1 パスポート(护照/ふーじゃお)

2 マンションの契約証明書

住所の証明のために、マンションの契約書が必要となります。ちなみに現在、旅行者等、住所がない人は、原則、口座が作れないようです。

手続き

まずは、最寄りの銀行の窓口に行って、銀行口座を作りたい旨を伝えましょう。「我要开银行账户(銀行口座を開きたい)」と言えばいいでしょう。

番号札をもらって、自分の番が来たら、窓口に行きます。

その後は、行員に指示を受けながら、書類に、記入していけばいいでしょう。銀行カードの暗証番号(密码/みーまー)の設定も行うので、係員の支持に従ってください。

あと、一つ注意する点としては、登録する時に、自分の名前が「英語名(ローマ字)なのか中文名(ピンイン)なのか」あるいは「姓と名を逆にしていないか」など、しっかりチェックしておいてください。

というのも、後に、微信、支付宝など決済アプリ等とリンクするときに、名前が一致しないと、うまくリンクできなかったりするので、自分の名前は、しっかり確認しておいたほうがいいでしょう。

口座の登録ができたら、銀行カード(银行卡/いんはんかー)を受け取ることができます。通帳は、最近は、特にないと思います。

口座は、マルチカレンシー口座となっており、人民元、香港ドル、米ドル、日本円にも対応しているようです。(個人的には、使ったことはありませんが・・・)

また、デビットカード(借记卡)の機能も兼ね備えていますが、今は「微信」スマホ決済が主流になっているので、以前ほど使う場面は少ないと思います。(カード上に「银联(UnionPay)」のマーク)

また、カードと同時に、「ネットバンキング(网上銀行/わんしゃんいんはん)」や「携帯銀行(手机银行/しょーじーいんはん)」も同時に設定することもできます。送金、投資、保険など、各種サービスが手軽に利用でき便利は便利です。ただ、セキュリティはしっかりと設定しておきましょう。

オススメの銀行は?

中国の銀行は銀行によって、サービスが変わるというわけでもないので、最寄りの銀行にしたほうがいいでしょう。一般的には、国有銀行よりは、民間資本系(「平安」とか)の方が、ややいい気もします。

あるいは、会社から指定されると思うので、その銀行の口座を作ればいいと思います。

一般に、中国の銀行は、他行への送金は振込手数料がかかるためか、会社は、従業員に、会社と同じ銀行の口座を作るように指示すると思います。

これは、日本だと、会社に「三井住友」銀行の口座を作ってくれと言われると、たとえ、自分はすでに「三菱東京」の口座をもっていても半強制的に「三井住友」銀行の口座を作らされるということです。

日本人だと違和感を感じると思いますが、中国では、当たり前として、そのたび、口座を作っています。

ATM使用時の注意

お金の出し入れは、スマホ上でも、かなりできるようにはなりましたが、銀行のATMを利用する機会もまだあります。

以下、ATMを使用するときの注意点についてです。

 

ATM使用の流れ

例えば、「引き出し(取款)」の場合、以下の順番で行います。

  1. カードを入れる
  2. パスワード(密码)入力
  3. 「引き出す(取款)」を選択
  4. お金を受け取る
  5. カードを取る(一番最後)

このとき、お金が先で、カードが後になりますので、カードの取り忘れに注意してください!!(ただし、HSBCなど香港系銀行は、日本と同様、先にカードがでてきます。)

ちなみに、中国のATMは、基本的に手数料ゼロですので、この点はありがたいです。

操作の種類

ATMのタッチパネル上に、各操作項目がでてくると思いますが、使っているうちに、中国語にもだんだんなれてくると思います。(ちなみに、わからなければ、英語に切り替えることもできます。)

よく使用するものとしては、以下のとおりでしょうか。

査询(ちゃーしゅん)・・残高照会
取款(ちゅーくぁん)・・引出し
存款(つんくぁん)・・・預金 あと「活期(ふうぉーち)」は普通預金、「定期(でぃんち)」は定期預金
转帐(じゅあんじゃん)・振替

あと、現在、コロナ下ということもあって、「存款」専用機、「取款」専用機などと、別れていることがあります。(写真「存款」専用の張り紙) 紙幣がウィルスを媒介するため、このような処理をしているようです。

 

ATM、注意点

一度に引き出せる限度額が少ない

中国では、もともと一回の操作で引き出せる金額が少ないです。1万元を超えたりすると、何度も何度も引き出さなければ、ならないこともあり、面倒です。逆に、そういう人が、前に並んでいると、その列は全く動かないことになってしまうので、注意が必要です。

金欠が多い

また、中国のATMは、金欠が結構あるので注意が必要です。夜間のATMなどには、現金を必要最小限しか置かないということなのかもしれません。

中国の銀行 預金金利について(2021年現在)

以下、預金金利についてです。以前ほどではないにせよ、緩やかにインフレが続く中国では、日本と違って、金利はそれなりには付きます。

普通預金(活期存款)の金利

0.3%

普通預金(活期存款/ふぉーちつんくぁん )の金利(年利)です。

定期預金(定期存款)の金利

定期預金(定期存款/でぃんちつんくぁん)は、それなりに金利が付きます。以下、整存整取タイプ(全部一度に入金して、満期で一度にお金を出す)の場合です。(2021年現在)

三个月 1.35%
半年  1.55%
一年  1.75%
二年  2.25%
三年  2.75%
五年  2.75%

ちなみに、上記の利率は、公式サイトの金利ですが、実際の運用は、地域差があるようです。

中国银行最新存款利率表2021

中国での両替

深センに住んでいると、日本円や香港ドルを人民元に両替することが多くなると思います。

レートは銀行、ホテル等であれば、大体、同じようなレートと考えていいでしょう。

あと、銀行以外にも、以下のような銀行の出張両替所(写真)で両替することもできます。

中国での送金

国内送金

国内送金ですが、跨行转账(他銀行への振替)の場合、少々、やっかいです。

例えば、「工商銀行」から「建設銀行」にお金を送金するなどの場合ですが、金額的に最低2000元以上とかの制限があり、手数料も必要です。中国の場合、別の銀行にお金を移しにくいと思っておいたほうがいいでしょう。

海外送金

外貨建てで外国に送金する場合は、銀行、金額によって異なりますが、送金手数料は、30~60 US ドルくらいかかります。なので、ある程度、まとまった金額でないと、もったいないです。所要日数は、数日かかります。

非居住者で、中国の銀行で口座はつくれる?

以前は、旅行者、出張者などでも、中国に人民元口座とを作ることは可能でした。しかし、最近は、原則として、銀行口座は作れないようです。ごく一部、現地の方でコネが有るとか、そういう方で、できるということもあるらしいですが