海を超える「東鉄線」~香港MTR東鉄線について

2023年3月26日

先日、香港行ったときに気がついたんですが、最近、中国から、MTR東鉄線で乗換なしに香港島まで行けるようになったようですね。といっても、延伸されたのは、もう昨年の話(2022年5月15日に香港島の金鐘駅まで延伸)なので、香港に住んでいる人からすれば「今更、何いってんの。」という感じでしょうが・・・

ただ、以前は、香港島から中国大陸に戻るとき、地下鉄を何回も乗り換えなければならなかったことからすると、非常に画期的です。(例えば、銅鑼湾から中国大陸に戻るとすると、銅鑼湾⇒金鐘⇒旺角⇒九龍塘⇒羅湖 と意外と面倒くさい。)

これで香港島でぶらぶらしていても、金鐘駅までたどり着けば、あとは、自動的に中国まで運んでもらえるわけで、少し行動範囲が広がりそうです。

海を超える「東鉄線」 ~ジオフロント化する「金鐘」駅

ちなみに東鉄線の延伸に伴って、終点の「金鐘(アドミラルティ)」駅は、4路線が乗り入れる一大ターミナルとなり、駅が大幅にリニューアルしてました。従来のホームから「東鉄線」への乗り換え表示に従って進むと、突如、このような巨大な地底空間(ジオフロント)が・・・

 「よく、こんなもの、掘ったな」

ただ、これだけ深いところに潜っているにもかかわらず、不思議と圧迫感を感じません。聞くところでは、あえて吹き抜けの部分をつくり、自然の光が地下まで入るような工夫がなされているのだとか。

動画(30.4M) エスカレーター

長いエスカレーター降りて直ぐのところが東鉄線のホーム。羅湖という表示があるのが不思議な感じ。

さらにその下に、南港島線があるそうで、最深部は地下43mもあり、香港で三番目に深いようです。(ちなみに一番は、香港大学駅(地下70m)、日本では、大江戸線の六本木駅(42.6m)が最深)

 

ちなみに、MTR東鉄線は、中国大陸から香港に行く際に、お世話になる路線ですが、以下、沿線について、簡単に紹介してみたいと思います。

香港MTR「東鉄線」 ~100年の歴史をほこる路線

MTR東鉄線は、深セン「羅湖」と香港島の「金鐘」を結ぶ、46キロの路線。開業は1910年と非常に古く、100年以上の歴史をもっています。以前は、KCRと呼ばれてましたが、2007年末にMTRと経営統合してます。

停車駅は「羅湖(落馬洲)、上水、粉嶺、太和、大埔墟、火炭、(馬場)、大学、沙田、大围、九龍塘、旺角東、红磡、会展、金鐘」の16駅。(毎時10本が羅湖発着、5本が落馬洲発着)ちなみに、中国側の羅湖、落馬洲は、基本的に外に下車できず、出入境者専用の駅となってます。

沿線は、途中、山あり海あり、競馬場あり、大学ありと、結構、バラエティのある路線です。以下、主な駅について、ちょっと簡単に紹介してみます。

ちなみに、東鉄線は路線図では、水色のラインになってます。

参考:東鉄線 – Wikipedia

上水

「上水」駅は、中国大陸から最も近い、香港の駅です。

中国大陸に近く、買い出しにも便利ということから、一時期、中国人バイヤー(水客)が大量に押し寄せて問題になりましたが、持ち込める量に制限ができ、さらに香港デモ、コロナと続き、いまは落ち着いていると思います。

また、大陸に住む日本人にとっても、いろいろ便利な駅で、以前、15日間ノービザ滞在が可能だった頃は、一旦、上水に来て中国大陸に戻るだけで、また日付がリセットされることから、何回も繰り返して、滞在し続けるという裏技?もありました。

馬場

「馬場」(レースコース)駅には、沙田競馬場(シャティン競馬場)があり、競馬が有るときだけ、臨時に停車します。

競馬場内は、ほとんど日本の競馬場と同じような構造で、一瞬日本にいるかのような錯角を覚えてしまいそうなほど。

年末に、香港カップ、香港マイルなど、国際GIレベルの大会も行われ、日本からの参加もあるようです。

大学

「大学」(ユニバーシティ)駅には、香港中文大学のキャンパスがあります。この大学は、中文系では香港最高峰で、アジアでも屈指の大学ですが、キャンパス内は自然が豊かで、香港の喧騒が嘘のように静かです。

ただ、山腹にキャンパスが有るので、階段や坂がやたら多く、歩くのは結構、ハードです。(構内にバスが走ってます。)

ここで、中国語や広東語の語学学習をしている日本人もいるようです。

大围

「大围」(だいわい)駅は、屯馬線との乗り換えポイントです。

九龍塘

「九龍塘」(がおろんたん)駅は、緑の路線(観塘線)との接続駅です。

旺角東

「旺角東(もんこくいーすと)」駅は、旺角の東に位置する駅で、旺角の繁華街に出るには、絶好のロケーションです。

有名な、女人街(ノイヤンガイ)はじめ、フラワー マーケット(花墟道)、スニーカーストリート、お宅ビル(信和中心)、熱帯魚やペットがひしめく寵物街など、見どころ満載です。

 

红磡

「红磡(ほんはむ)」駅は、かつての終点で、4面7線のホームを持つ大きな駅です。駅上には、コンサートなどで使用する「香港コロシアム(红磡体育館)」もあります。日本でいえば、武道館みたいな位置づけだそうです。

駅の隣からは、香港島を結ぶ、海底トンネル(紅隧)の入口があり、ここから、バスで香港島各地に向かうことができるようです。

また、红磡から尖東を経て尖沙咀へと至る道は、国際色豊かなエリアで、観光客も多いです。

会展

「会展(エキシビションセンター)」駅は、今回、延伸で新たにできた駅です。

香港会議展覧中心(香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC))の最寄り駅で、香港ブックフェア、香港アニメフェアなど、様々な催しものを行っています。

金鐘

東鉄線の新たな終点「金鐘(アドミラルティ)」。

このあたりは、政府庁舎などがあって、いかにも香港の中心という感じのエリア。

地図