中国の「発票(ふぁーぴぁお)」システムについて
中国では、領収書の発行、受け取りには、「発票(ふぁーぴゃお)」という、中国の税務署が発行する正式な領収書を使うことが多いです。
「発票」は、以下のように、名称、金額、項目などが印字された、薄っぺらい紙の領収証ですが(写真はネットから拝借)、会社間で、商品やサービスを売買した場合はもちろん、タクシーに乗ったり、飲食店で飲み食いをしたときも、簡易型の発票を受け取ることができます。
モノやサービスを購入した側は、この発票がないと、費用項目として計上できず、会計処理ができません。なので、発票を受け取るインセンティブが働くことで、税務署側からしても、徴税の漏れを防ぎやすいという効果があるようです。
ちなみに、中国の発票というのは、領収書であると同時に、請求書という側面も持ち合わせているようで、インボイスのような感じで、代金の受取りより先に送ることもあるようです。
日本でも、近年、インボイス制度というものができるということですが、この発票システムに近いものになるのかもしれません。
ちなみに、一般の文房具屋で買ったものに印を押しただけの、いわゆる普通の領収証は「收据(しょうじゅ)」とよんで、「発票」と区別しています。
中国の「発票」システム 受取りと発行
発票の受取り 必要な情報
一般に、モノやサービスを購入したときは、発票を受取ることが可能ですが、その際、名称(企業、個人)の他、納税者識別番号、金額などの情報が必要になります。
名称
名称は、企業名の他、個人名でも発行することが可能です。
納税者識別番号
企業、個人には、それぞれ、固有の納税者識別番号(纳税人识别号/なーしゅいれん・しーびえはお)がありますので、これを必ず明記しなければなりません。ご自分の会社の会計に問い合わせてください。数字のみ、もしくは英字と数字の組み合わせ、18桁で、かなり長いです。
以前は、納税者番号は必要なかったですが、「増値税改革(営改増)」という中国の税制改革(2017年)の一環によって、いちいち発票に記入しなければならず、面倒になりました。
項目
売上の性質に応じて、いくつかの項目の中から選択する形式になっています。項目については、自分の会社の会計に聞いて、あらかじめ、先方に要望を伝えておいたほうがいいかもしれません。
金額
モノ、サービス別に、購入金額を記入するようになっています。
発票の発行方法
一般的に、発票の発行については、会社の経理部の中国人が担当するはずですので、ご自分で発票を出すということは無いはずですが、以下の通りとなります。ちなみに、発票を発行することを、开発票(かいふぁーぴゃお)といいます。
発票 発行する方法
発票を発行する(开発票)場合、方法は2つあります。
税務署で発票をもらって、自分の会社で専用の装置(写真)で打ち出す方法(自己开/ずーじーかい)と、あと、税務署に行って、税務署に代理で発行してもらう方法(代开/だいかい)があります。
通常は、自社で発票を出すと思いますが、小規模な事業者の場合は「代开」も可能です。
自社で発票を出す場合は、専用の装置(写真)に発票をセットして印字します。印字された情報は、ただちにネットを通じて、税務署に伝わる仕組みになっています。
「代开」の場合は、オンライン上で申請してから、税務署に行って打ち出してもらいます。打ち出せる金額に制限があります。
発票の申請と予約
以下の「国税」のサイトで、発票の購入や代开の申請をすることができます。アカウントを作ってログインしてから、情報を入力します。会社でログインする他、個人(自然人)でログインも可能です。
アカウントは、一般的には、複数人で使用することになると思いますが、決まった人しか利用できないようになっています。
税務署に、発票を受け取りに行く場合、さらに、税務署のアプリで日時の予約をしなければなりません。予約しないでも、たぶん可能だと思いますが、後回しになるはずです。
税務署は、各地区の最寄りにある、国税のオフィスに向かうことになります。(地税については、また別になります)
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