深セン歴史散歩 ~「赤湾左炮台」訪問

深センと聞くと、ほとんどの人はハイテクビルがそびえ立つ近代的な街並みや、きらびやかなショッピングモールなどを思い浮かべるかもしれません。しかし、そんな深センの中にも、歴史を感じさせる場所があります。
その一つが「赤湾左炮台(ちーわん ずぉーぱおたい)」です。
南山の蛇口赤湾に位置する「赤湾左炮台」は、17世紀、清朝の康熙帝の治世に建てられた砲台ですが、アヘン戦争の戦火をも耐え抜き、かつては中国海防の要だったとのことです。現在は、忘れ去られた存在になっているものの、歴史の証人として、当時の面影を伝えるこの砲台は、深センでも数少ない歴史的なチェックポイント(打卡点)といってもいいのではないかと思います。
一度、訪問してみたいと思い、2年前コロナあけの時期に行ったのですが、そのときは道が工事で通行止めで、断念したことがありますので、今回は、そのリベンジという形となります。
「赤湾左炮台」訪問
まずは、いくつか地下鉄を乗り継いで、深センの西端、左炮台東駅に行きます。南山在住の人は、比較的近いですが、自分は羅湖なので、1時間位かかりました。もはや、ちょっとした小旅行といえるかもしれません、ただ、あれだけ乗っても、地下鉄は7元(150円)程度と、激安です。
左炮台に近い、A出口から地上に出ます。駅構内から地上にでるとき、階段しかなく、いかに、この出口を使う人間が少ないかがわかります。実際に歩いている人もほとんどいません。
外に出ると、周辺、本当に何もありません。貸し自転車すらないので、注意が必要です。
とはいえ、左炮台は、そんなに遠くはないので、とりあえず、西に歩いていきます。(以前は工事中で通行できませんでしたが、通行可能になってます。)だらだらの登り坂(赤湾路)が続きます。
10分くらい歩くと、前方にゲートらしきものが見えてきました。係員がいますが、入場するとき、特に何も言われませんでした。免費(無料)、免預(予約無し)で入れます。ありがたいです。
そこから、さらに坂(炮台路)を登ること5分。
「赤湾左炮台」城門
「赤湾左炮台」の城門に到着しました。いかにも、歴史のありそうな門です。
動画(4.5M)
さらに階段を上がると
左炮台の石垣が見えました。ここまで、駅から歩くこと20分くらい。
本筋とは関係ないですが、石垣に絡みついている木は、ガジュマルの木(中国名は、榕树/ろんしゅー)といって、気根というものを地面に伸ばす変わった感じの木です。レインツリー、締め殺しの木などの異名もあるようです。
左炮台
さらに中に進むとこんな感じ。平日なので、人、少ないし。いい感じです。(動画8M)
左炮台
ここで、左炮台について、ネットで得た知識で補足しておくと、
赤湾左砲台(ちーわんずぉーぱおたい)は、清朝の康熙年間に作られたと伝えられる砲台で、アヘン戦争中、林則徐が、珠江河口を防衛した際、活躍した砲台のようです。元々は左右の砦に分かれていたけれど、現在は左の砦だけが保存されており、こういう名称になっているみたいです。
ちなみに、清朝の康熙年間は、1662年から1722年まで、康熙帝(愛新覚ロ・玄烨)が即位し崩御するまでの61年間で、清朝の年号の中で最も長く使用された期間とのこと。江戸時代の初期から中期くらいから存在していたということで、結構、古いですね。
では、実際に入ってみます。こちらが、砲台の砦の入口。
ちなみに、ここは「深センの愛国教育拠点」にもなっているようです。学生さんが社会見学とかで来るんでしょうか。
細い通路のつきあたりにある細い階段を上がると、炮台がありました。
動画(5.3M)
木に隠れて見えにくいですが、赤湾港と海、蛇口の街並みまで見渡せる位置にあります。ここに砲台を設置したのがわかる気がします。
林則徐の銅像
左炮台の隣には、林則徐の銅像があります。林則徐の銅像は、1985年に林則徐生誕200年を記念して建立されたもののようで、高さ3.2メートル、重さ1.8トンで、中国最大の林則徐の銅像とのことです。
ちなみに、林則徐(1785〜1850)は、清朝末期の政治家で、1839年、アヘンの密輸をとりしまるために広州に派遣され、イギリス商人が持っている阿片を全て没収し処分しましたが、これに怒ったイギリス商人たちは林則徐に抗議し、最終的に阿片戦争を引き起こすことになったとのことです。
動画(4.2M)
銅像の広場の下に、左炮台の歴史を記した場所があります。
あとがき
以上、簡単ですが、赤湾左炮台でした。
中国の愛国教育拠点を日本人が訪問するというのも微妙な気がしなくはありませんが、まあ、かなり年代が古いので、いいのではないでしょうか。
何よりも、人が少ないのがいいです。オススメのチェックポイントといってもいいでしょう。
地図
おおざっぱですいませんが、南山の他の地点から行く場合の目安として載せておきます。


















































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