深セン地下鉄 乗車方法と各路線の紹介

2024年1月5日

近年、深センの地下鉄路線もかなり路線が増え(現在15路線)、何処へ行くにも便利になりました。

しかも、初乗り2元(40円弱)と、この物価高時代に、非常にコスパもよく、使い勝手もいいです。

以下、深センの地下鉄の乗車方法、および各路線について紹介してみたいと思います。

深セン地下鉄 乗車方法

深圳の地下鉄は、運賃は2元~8元(約40円~160円)と、物価高が進行する中国において、非常に低価格に抑えられています。

運行間隔は、路線によりけりですが、混雑する路線やラッシュ時は、2~3分間隔。閑散時は5~8分間隔といった感じです。

また、日本の地下鉄に比べて営業時間が短いので、早朝出発、深夜到着の場合は、注意が必要です。

乗車方法について

乗車の方法は、以下の3通りあります。

1 トークン

2 交通カード「深セン通」

3 スマホアプリ

1 トークン

日本の乗車券にあたるのが、トークンです。

初めて、地下鉄に乗る場合は、地下鉄の駅構内にある発券機で購入します。

トークンは、緑色の丸いプラスチック製のもので(写真)乗車するときは、改札のセンサーに当てて入ります。

出るときは、回収用の穴に入れます。

2 交通カード「深圳通」

プリペイド式の交通カードももちろんあります。

深圳通(しぇんじぇんとん)」は、あらかじめ、入金した分だけ、深センの地下鉄、バスに乗ることが出来る交通カードです。

まずは、駅の窓口や機械で、一定の金額をチャージ(充値/ちょんじー)しておき、少なくなって行きたら、その都度、チャージするというものです。日本のスイカ、イコカなどと同じ要領だと思います。

最近では、香港の「八達通(オクトパスカード)」と一体型のものも発売されています。(チャージは、人民元と香港ドルで別々)

3 スマホアプリ

最近は、スマホで乗車するシステムも導入されています。

スマホで乗車するには、まず乗車アプリ「深圳地铁e出行」をインストール(安装)します。地下鉄駅改札付近にあるQRコードスキャン(扫)するか、あるいは、微信上で検索してもいいでしょう。手順については、以下のページを参照してください。

深セン地下鉄をスマホアプリで乗車する方法 | 深圳なう

実際に地下鉄に乗るときは、「微信」の「チャット」の画面をスライドして、上部に並んでいるアイコンのうち「乗車コード(乗車码)」をクリックします。

でてきた「乗車コード」を、緑色の改札の前面にあるガラス部分(写真)に当てると、改札が開きます。下車するときも、同様にコードを、改札に当てるだけです。(ちなみに下車码というのはありません) お金は、微信上で、自動的に引き落とされます。

ちなみに、上記の「深圳地铁e出行」以外にも、「深圳通」のアプリで、地下鉄に乗車することも可能です。

荷物検査

中国の地下鉄で驚くのが、荷物検査ではないでしょうか。

一瞬「ここは空港か?」といおもってしまうくらい、どの駅の改札付近にも、X線装置が置いてあり、驚かされます。

しかも、ラッシュ時には、長蛇の列が出来ており、非効率、極まりません。(写真)

なお、ペットボトルなど液体物をもっていると、指摘されるので、あらかじめ、バックから出して検査員に渡しておくといいでしょう。

女性優先車両

数年前から、深センの地下鉄では、女性優先車両が、設けられるようになりました。先頭と最後方の二両が女性優先車両で、ピンク色の表示が目印となっています。

ただ、日本の女性専用車両と違って、あくまで「優先」であって「専用」ではないので、拘束力のあるものではないようです。

なので、ざっくり見た感じですが、女性ばかりというわけではなく、男性も結構、混じっているし、しかも、乗客のそんなに気にもとめていないようです。

深圳地下鉄  http://www.szmc.net/

深センの地下鉄路線 15路線の紹介

以下、深セン地下鉄の各路線について、簡単に紹介してみます。2023年末までに開通する路線を含めると15路線となります。ちなみに、1号線、2号線という数字名称以外に、羅宝線、蛇口線という一般名称もありますが、あまり使われていないです。

以下、クリックで拡大できます。また、未開通部分も含まれていますのでご注意ください。あと、路線の色が、実際のものとは異なっている場合があります。

1号線(羅宝線・緑) 深センのメインルート

その名の通り、深センで一番はじめにできた路線です。当初は羅湖から世界の窓まででしたが、その後、空港まで延伸しました。深センを東西に貫く「深南大道」沿いを走る路線で、接続路線も多く、深センの主要スポットが、ここにあるといっても過言ではないかもしれません。(深圳空港東~世界の窓~羅湖)

2号線(蛇口線・橙) 1号線を補完

1号線を補完するように、平行に走る路線です(赤湾~世界の窓~莲塘)。この路線の開通によって、蛇口地区と、福田、羅湖とのアクセスがかなりよくなりました。

3号線(龍崗線・水色) 通勤地獄で有名

通勤地獄で有名な路線です。とくにラッシュ時、布吉から老街までは格別らしいです。ただ、14号線の開通後は混雑の緩和が期待できそうです。(福保~老街~双龍)

4号線(龍華線・赤) 香港地下鉄が運営

深センを南北に貫く路線です(福田~深圳北~牛湖)この路線は「香港地下鉄(MTR)」が運営しており、駅員の制服や車内アナウンス、ロゴなどが、香港MTR形式で、他の路線と一味違います。遠い将来には、香港への延伸もあるかもしれません。(左:1号線、右:4号線)

5号線(環中線・紫) 各路線を補完

深圳を大きく半円形に弧を描くようにして走る路線(赤湾~深セン北~黄貝嶺)。外環状線のように、各路線を補完する役割を担っています。(2025年、大劇院まで延伸予定。)

6号線(光明線・エメラルド) 支線あり

東莞にほど近い松崗から深圳北駅を経由して科学館を終点とする、意外なルートをとる路線(松崗~科学館)。終点、科学館駅はイオンでお馴染みです。ちなみに、6号線には支線があり、光明駅から本線と枝分かれしています。6号線の支線は東莞の辺境まで行って、東莞地下鉄と接続するようです。

7号線(西麗線・青)

東の太安から西の動物園まで、東西を最短距離で結ばす、S字型に走る路線です(動物園~皇岗口岸~太安)。割りと、いつも混雑しています。

8号線(塩田線・橙) 実質2号線

2023年12月、小梅沙まで延伸。これで、市内から大梅沙・小梅沙のビーチへ、地下鉄一本で行けるようになりました。

8号線は、2号線の東端から、そのまま東へと延伸するような形で、結んでいる路線で(梧桐山南~小梅沙)、2号線と一体的に運行しているようです。なぜ、わざわざ区別しているのか、イマイチよくわかりませんが、将来的に、分岐するのかもしれません。

9号線(内環線・グレー) 接続がイマイチ

内環線という名前ですが、環状ではなく、コの字を描くように走っています(前湾~紅樹湾南~文錦渡)。他の路線との接続が今一つで使い勝手が悪く、車内はわりと閑散としています。

10号線(坂田線・ピンク)

福田イミグレから、南北に4号線を補完するように走る路線で、4号線の混雑解消にも一役買っているようです。途中に、華為(ファーウェイ)もあります。(福田口岸~華為~双拥街)

11号線(機場戦・濃い紫) 空港直結、ビジネスクラスも

通常の地下鉄よりも停車駅が少なく、地下鉄の急行ともいう印象の路線です。(最高時速120キロ、地下鉄としては国内最速。)また、深セン空港と市内を30分で結び、空港エクスプレスとしての役割も果たしています。2022年10月末「岗厦北」まで延伸され、市内から空港へのアクセスが更によくなりそうです。(松岡~福田~岗厦北、2025年「红岭南」まで延伸予定)

11号線は、二両分がビジネスクラス(商务舱/しゃんうつぁん)になっていて、座席がクロスシートになってます。地下鉄ホームの黄色のラインが、ビジネスクラスの乗車位置です。乗る時は、ホームにあるビジネスクラス専用の読み取り機でスキャンします(カード又はコード)、降りるときは、特に何もする必要はありません。料金は、通常の2倍~3倍程度になるようです。

12号線(南宝線・うす紫) ハイテク満載

2022年末にできた新しい駅です。南山蛇口から、南山を通って、空港、福永などを経由して宝安地区を北上する路線です。顔認証、AIコンシェルジュなど、最新のテクノロジーが取り入れられています。(左炮台~海上世界~南山~机場東~海上田園東)

13号線(石岩線・うす橙)

南山から宝安を北上して、石岩、公明へと通じる路線です。(深セン湾口岸~深大~上屋、2024年中に開通予定

14号線(東部快線・うすグレー) 岗厦北駅は必見

岗厦北を起点として、市内を通過して坪山方面へと向かう路線です(岗厦北~布吉~大运~坪山中心~沙田)。駅数が少なく、しかも市内を斜めに走っているので、龍岡、坪山方面から、市内中心部には、爆速で到達できます。また途中、3号線と並行して走る区間も多く、3号線の混雑を緩和する効果もありそうです。なお、この路線も、全自動運転(無人運転)になっています。

深セン地下鉄の本気度がすごすぎる!!地下鉄新路線14号線と「岗厦北」駅について

16号線(龙坪線・うす緑) 東部限定路線

龍岡と坪山を結ぶ路線で、都心を通らない東部限定路線です(大运~双龍~坪山~田心)。3号線、14号線などを補完する役割があるようです。

20号線(福永線・黄色) 全自動運転導入

2021年末に、机場北~国際会議中心の区間が部分開業しました。今後は、南へと路線を伸ばし、最終的には、皇岡口岸あたりまで、延伸される予定です。また、この路線は、深センで初の全自動運転システムを取り入れています。(机場北~国際会議中心)